
補陀落山 覚 浄 寺 浄土真宗本願寺派
いのちの価値はプライスレス(清浄光2026年7月号より)
先日、京都の高級ホテルで開かれた会合に参加しました。会合は日帰りだったのですが、もし宿泊したらいくらくらいかかるのかと思って調べてみると、一番お安いお部屋が素泊まりで何と33万円! ひえ〜ビックリ。ちなみにスイートルームは一泊120万円! どんな人が泊まるのかと思ったら9割が海外からのお客様だそうです。
先月の初めに東京に出張した際、街を歩いていると盆栽の展示販売が行われていました。ちょっと立ち寄ってみると、どれも丹精を込めて育てられた立派な盆栽です。さてさておいくらくらいするのかなぁ・・・と思って覗いてみると「げげ! 385万円!」きゃ〜、もしカバンが引っかかって植木鉢をひっくり返してしまったり、枝を折ってしまったりしたらエライこっちゃ。そそくさとその場を離れました。
私からすると、盆栽ひとつ385万円とか、絶対に買いません(買えません!)が、この立派な盆栽に、値段に関係なく価値を見出す人がいるのでしょう。私たちは値段を見てモノの価値を判断しがちですが、一人ひとりにとって大切なものは、値段ではないのだと思います。
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親しい友人で、命に関わる大きな病気を患った人がいます。病院のベッドの上で長い間チューブに繋がれて、いつ命が尽きるのか不安な日々を過ごしたといいます。本当に苦しく辛かったと思います。やがて、ご本人の頑張りや色々な周りの人のサポートによって無事に回復された時、ふと病院の売店でモナカのアイスクリームを買って食べたそうです。口の中に冷たくて甘い香りが広がり、身体中に染み渡るような感覚に、思わず「生きている!」と感じ、そして「いただいた命を大切にして生きよう」と思ったのだそうです。友人にとっては150円のアイスクリームが、値段では量ることのできない大切な価値を持っていたのでした。
私たちは、普段の生活の中で、喜んだり悲しんだり、怒ったり泣いたりしていますが、何よりも、いただいた「いのち」を見つめて精一杯生きることの大切さを、あらためて噛み締めたいと思いました。なむあみだぶつ。
2026年7月1日 住職